静岡県川根町抜里は南アルプス間ノ岳を源流とする大井川によって削り取られた山間の地形に生まれた街であり、面積の半分が茶畑で覆われる。見渡す限り広大な茶畑が広がり、ファンが回って風を循環させて、霜対策が行われている。人口は千人に満たず、国道473号線沿いに街並みが形成されている。農地や草刈りや水路の泥上げなどのインフラ維持、あるいはホタルなどの生物保護などの活動を行う「抜里エコポリス」や班ごとに分かれた自治組織がある。 
この地で獅子の歯ブラシは2024年1月7日、静岡県川根町抜里にて演舞を行った。メンバーの稲村は茶の実を土地を表現するお囃子として構成して籠の中に入れ、それを鳴らしながらシシとして舞い歩いた。工藤は白い布をお茶で染めてそれを茶畑にもして演舞に使用するとともに、茶のお香を作ってそれを焚きながら茶畑の中で留まった。船山は茶の木の成長する音を自らの身体を鳴らすことで表現して、お囃子を制作した。 
※本作品は女子美術大学の演習「風景のボディランゲージ」にてゲスト講師をつとめ学生向けの授業を行う一方で、2024年2月に行われる無人駅の芸術祭に参加するために行ったパフォーマンスを映像作品として編集したものである。これは2023年11月30日〜 12月3日、2024年1月5日〜8日の日程で現地に滞在し、その最終成果として1月7日午後に行われた演舞の様子だ。
Back to Top